記事のタイトルにも書いたけど、2016年の話をします。
脂肪腫と呼ばれる良性の腫瘍ができてしまったものの、諸般の事情により、放置していたら大きくなってしまい。できた場所が悪かったこともあり、全身麻酔での手術を体験したときの話になります。
はじめに
全身麻酔で手術しないと取れないほど、病院になかなか行けなかった・行かなかったのは、そうなった要因があるのですが、話に直接関係するわけでもないので、リンクだけ貼っておきます。
脳にダメージを負ったとき(抑うつ状態になったとき)の話(読むの注意!)
「子供の頃から病院に行く習慣をつけておこうぜ!」(アレルギーだと発覚したとき+アレルギー対策)の話
元となったnoteの記事は以下から読めますが、このままスルーして本編を読んでいただくと良いと思います。

次からが本編!
そもそも、脂肪腫(脂肪の塊)って何?
脂肪腫ってよく聞く言葉ではないので「そもそも脂肪腫って何?」という話になりますが、良性の腫瘍です。どこでもできます。
背部、肩、臀部に多いと言われてますが、頭部にだってできます。
ぼくは頭部にできました。
30~50代の人にできやすいといわれてるようですが、20代でもできます。
私が脂肪腫に気づいたのは25歳くらいのときです。
偏頭痛に悩んで、そうしたら「何か頭にできてる」ということに気づいたので、念のため検査しに行ったときに脂肪腫だと判明しました。
「悪いものじゃないので気にしないでも大丈夫(要約)」と言われたこと、「偏頭痛に関しては心療内科に行った方がいい」と言われたこともあり、最終的にそれどころじゃなくなった(読むの注意!)のもあって放置してしまったのですが、あのときに取っていたら、少なくとも全身麻酔での手術にはならなかったのかな……いや、部位が部位だから、全身麻酔は不可避だったかもしれん。
「脂肪腫は肥満者に多い」と言われていますが、個人的にはそうでもないんじゃないかなぁと思いますが、断言はできません。
その当時は不摂生な生活をしていたのは事実なので、不摂生が祟ってしまったと言えなくもないですし。
急激な体重増加もなかったような気もしますが、これも当時の記憶が曖昧なせいで覚えていません……。
あとは、できやすい体質かどうかも関係すると思います。
ストレスとの因果関係ですが、ストレスを溜め込むと暴飲暴食で肥満に繋がる、食欲が減退して栄養不足になる……などの要因で、体や心に悪い影響が出る可能性があるため、ストレスと無関係とも言い切れないようにも思います。
年代性別ストレスの有無や体重増加もしくは遺伝など、脂肪腫が発生する原因は、はっきりとは解明されていないようで、様々な要因は考えられるそう。
でも、原因に関係なく、できるものはできると思った方がいいと個人的には思います。原因を突き止めようとするだけで疲れちゃうし、いい結果は生まれないと思うので。
ただ、今後、もう少しはっきりと分かるようになってほしいとは、少しだけ思っています。
脂肪腫切除手術のための入院(準備編)
病院にもよると思いますが、この体験談が同じように脂肪腫で入院する人の参考になれば嬉しく思います。
結婚してしばらく経ち、病気も寛解してからしばらく経ったことで、やっと「流石に放置しすぎかなぁ……」と気にかけることができるようになりました。
自宅の近くにある、診療科に皮膚科と形成外科が両方入っている、少し大きめな病院に行った結果、大きさが5cm以上(6cm)あったことと、できた場所が頭部だったこともあり、「全身麻酔で手術して取ろう」ということになりました。
入院が手術日入れて二泊三日だった(担当医師曰く、地域によっては全身麻酔でも日帰りでOKらしい。すごいびっくりした)のもあり、長期ではなかった上に、入院まで2週間くらい日にちがあったので、そんなに苦労したこともなかったのですが、一応経験談としてまとめて書きます。
入院に関する説明を受けて
病院によると思いますが、逐一「付き添いはありますか?」と聞かれました。
その時、結婚してなくて一人暮らしだったら、どうなっていたんだろう。
2016年当時は、そう簡単に有給休暇が取れない日本でした。2023年の日本は少しだけ有給休暇が取りやすくなったような気がしますが、それでも職業や会社によってはなかなか難しいこともあると思います。でも、ご家族も休めるなら休んだ方がお互いに気が楽かもしれません。
できた場所が頭部だったことで、手術後しばらくは重たい物を持てなかったこともあり、個人的には退院日に家族の付き添いがあって、すごい助かったと記憶しています。
準備編1「ちょっと失敗したときの話」
病院からもらった入院のしおりは9割くらい参考になりました。
ただ、準備でちょっと失敗した話をいくつかしようと思います。
(失敗1)着替えを持って行きすぎた
祝日で仕事が休みだった家族に付き添いで来てもらっていたので、不要な荷物を持って帰ってもらいました。
『病衣=寝巻』って思っておくと、着替え分の荷物が減るね。
実際、入院する部屋に着いてすぐに病衣に着替えたのでパジャマとかいらなかった。
寝巻が必要かは入院前に病院に確認しておくと良いと思います。
(失敗2)色々必要そうなものを準備したけど、大体いらなかった
病院で適時支給されたので、持ってくとしたらフェイスタオル1枚あればいいんじゃないかと思いました。
病院によっては原則購入する場合もあると思います。こちらも確認しておくと良さそうです。
なお、ぼくが住んでいる地域というか、病院の来院者・入院者が高齢の方が多かったこともあり、高齢の方に配慮した空調(比較的暑い=自宅より暑い)ため、靴下もいらず。布団の中に入ってれば寒いってことはないんじゃないかと思った次第。
病院の設備も申し分なく、身体を洗うタオルが一枚と洗顔用具さえあれば大丈夫だったんじゃないかと思うくらいにはちゃんとお風呂に備え付けてありました。自分が使っている道具を持っていきたいときは持っていくと良さそうです。
ぼくの場合は、点滴の針が刺さっているために片手しか使えず、洗顔の代わりに蒸しタオルで顔を拭いていたこともあり、洗面器すらいりませんでした。片手しか使えないような状況や身動きが取りにくいなら、ボディシートやフェイスシート、クレンジングシート、除菌シートがあると便利だと思います。
(失敗3)娯楽用品がほとんどいらなかった
『小説持って行くと良い』とネットの情報で見たので、入院中は暇なのかなって思い、色々持って来たんだけど、慣れない環境や初めての手術ってこともあって、入院前日から退院までずっと『2時間寝たら数時間起き、また2時間位寝る』の繰り返しだったので、正直な話をすると、小説本とか読める気力はありませんでした。
なので、創作活動しようと思って持ってきたメモ帳も使うこともなく。(今だから思うけど、アナログで書こうとしてたの……? 片手もあまり動かせないのに……?)
術後も気力や体力がもちろんないわけで。全身麻酔で、頭部に傷ありで痛むかもしれないっていうのに、そんな気力と体力があったらすごいよね。ちゃんと考えてなかったことに、改めて今のぼくがびっくりしているよ……。
幸いなことに、部屋で携帯が使えた(もちろん通話はNG)のと、充電器を持っていけば部屋のコンセントを使うことができたので、ずっとニコニコ漫画・comicoのお世話になってました。これなら、寝落ちても大丈夫だしね!
【2023年版の娯楽(夜空きり版)】
- ニコニコ漫画
- pixiv漫画
- kindle
- honto
準備編2「持っていくと便利だったものの話」
ご時世的なものもあると思うので、ちゃんと2023年版に合わせて書こうと思いますよ!
(持っていくと便利なもの1)マスク
お部屋を暖かくするってことは、湿度も下がるので、すごい乾燥します。
加湿器があるならいいけど、加湿器がないと本当にしんどいです。病院によっては病室に設置しているかもしれないけど、ないと思ってマスクがあると便利だと思う。
うるおいに配慮したマスクがあるといいですよ。普通のマスクでもないよりはマシ。
ただ、感染症対策として指定のマスクが必要な場合は、ちゃんと病院の指示に従いましょう!
(持っていくと便利なもの2)ウェットティッシュ
手術後、点滴の管(針)がずっと左の手の甲に刺さっています。
点滴されてるわけじゃないから動けるし、トイレにもいけるけど、手を洗えません。
片手だけ器用に洗えるならいいけど、ぼくには難しかったので、ウェットティッシュが大活躍しました。
ボディシート(フェイスシート、メイクする人はメイク落とせるシート)もあるといいと思います!
(持っていくと便利なものとは関係ないけど、その3)代理人が2人以上
手術の同意書や全身麻酔の同意書は本人でも大丈夫だったけど、入院の手続きは代理人が2人必要なことがあります。
病院や全身麻酔の有無によるのかもしれませんが、ぼくが入院するときは「代理人2人」って言われて正直、困りました。
特に困る事情がなければいいのですが、ぼくのように事情がある(読むの注意!)人は、友人でも誰でも良いので今後のためにも事前に根回ししておくと良さそうです。
(持っていくと便利なものとは関係ないけど、その4)入院保険、もしくは限度額認定証
諸般の事情(読むの注意!)で当時は入院保険には入っておらず、どんな感じなのかが分からないので、入院保険に入っている人は保険屋に相談してください。病院で「保険に入っていますか?」って聞かれたとき、心のなかでは「入れるなら、ぼくだって入りたかったよ…!」と泣いたように記憶しています。
限度額認定証についての説明を病院で受けたかは正直覚えていないのですが、ここで限定学認定証の存在を知ることができたのは大きかったと思っています。健康保険に加入していれば、とりあえず際限なく高額で払うことはないと安心できるのは大きいです。
限度額認定証を持っておくと、手術費と入院費の合算が限度額を超えることはなくなります。
金額は伏せますが、調べればすぐに出てくると思います。(限度額認定証、自己負担限度額で調べるとわかります)
(持っていくと便利なもの5)現金
病院によっては、クレジットカードが使えます。私が入院した病院は使えたので、手術費と入院費はクレジットカードで支払いました。
ただ、病院によりますが、病院食とタオル・病衣などの利用料は別途精算のところもあるので、別途その分のお金を現金で少し持っていくと安心できるかと思います。
クレジットカードが使える病院でも、現金は少し必要になるので、持って行くといいですよ。
脂肪腫切除手術のための入院(入院・手術編)
手術中のできごと
実はあまり書くことがない……。
全身麻酔なので、グロいシーンとかも全部意識がなかったし、切ってるなぁという感覚とかもしませんでした。
目が覚めた頃には全部終わってました。
手術が決まったときに「麻酔もした記憶がない」って伝えたら、「それなら全身麻酔の方が楽ですよ」って勧められたくらいなので、今の全身麻酔の安全度はすごく高くなってるんだと思います。
入院中のできごと
看護師さんが仕事とはいえ、すごい優しいです。
担当医師とは手術直前と退院の日くらいにしか会ってないくらい、入院生活では看護師さんと接することになります。
他が健康体なので、小さな用事でナースコール押すのが申し訳ない気分になりますが、定期的に看護師さんが様子を見に来てくれるので、あまり困ったことはなかったです。
ナースコールを押したのは、退院の日の朝、頭のネットが外れてしまったんですが、自分じゃ着けられなくてナースコールを押した1回限りでした。
お風呂は予約制で、交代で入る形になる上に基本的な設備もあるので、もし何かを忘れちゃっても案外なんとかなりますね。
好き嫌い多い人じゃなければ、病院食は問題ないかと。トマトと一部の物はどうしても食べれなかったんですが、それ以外は美味しくて完食できたくらいなので。
【女性限定】入院のときに生理が来そう!(生理が来ちゃった!)
運悪く手術前に生理が来てしまい、生理用品を持っていくことに。
入院する頃には、生理痛や出血量が多い日自体は過ぎていたのですが、それでも手術は大丈夫かとか不安になります。
大丈夫。
生き証人(私)がいるから、大丈夫。
看護師さんには、生理のことはちゃんと伝えておきましょう。
生理用品(生理用ナプキン)についてですが、ちょっと高くつくかもしれないけど、ショーツタイプの生理用ナプキンがおすすめです。
急に始まるってこともあるから、入院中に生理が来ないと思ってる人でも1セット持っていくと、気持ち的にも安心ですよ。
病院次第でもあるけど、手術の時も便利だったので、本当におすすめです!
普段も、睡眠中に「血で汚れたらどうしよう…」というストレスが軽減されるのと安心感があるので、あえて使っています。
買っているのはロリエの安心ショーツタイプです。今のところはゆとりもあるように感じて特に困ってないこともあり、M-Lサイズを使っていますが、ゆったりLタイプも発売されたので、自分に合うものが選びやすくなっていますよ!
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脂肪腫切除手術による入院を終え、退院後の話
退院した後のネタってあまりないようで、実は結構あるもので。
それについてもちょっと書き残しておきます。
(退院後の話1)肝心の患部の話
担当医師が「手術後は毛が生えないので、目立たないように線のようにして切るからね」と言ってくれた通り、本当に目立たないようにうまく処置してくれた模様。髪の毛で隠れて見えないから自分じゃ分からないけど。
何にしても、こうして無事に手術も終えられたし、傷跡も目立たなかったし、本当に有り難いです……!
痛みについてですが、6cmくらいあるのを取ったわけだから我慢できない痛みがあるのかなぁとちょっぴり覚悟してましたが、そんなこともなく。むしろ、無意識レベルで気にしてしまっているのか、動作がちょっと制限されてる分、首や肩が凝ってしまって辛かった。
痛み止めや化膿を防ぐお薬をきちんと飲んでることもあり、痛みがあったとしてもちょっとでした。
ただ、『引っ張られてる』感覚はあるので、重たいものを持つ時は「あ。やばい」と思ってしまって持てなくなります。
しばらくは物を持てませんでした。患部の痛みよりも行動が制限される方が辛かったです!
(退院後の話2)患部よりも辛かったこと
全身麻酔をするからって、血栓防止のために着圧ストッキング着用したため、軸足(右)の太ももが少しかぶれてしまったのが辛かったです。
後、不運にも入院前に風邪とアレルギーを併発してしまい、薬を飲むのもなぁと自力で治そうとして治りかけてたところに人工呼吸用の管による摩擦で喉がイガイガしてしまい。
退院翌日になったら、のどのイガイガがなくなっていましたが、咳がまだちょっと出て。喉の不調が回復するまではもうしばらくかかっちゃったのも辛かったです。
(退院後の話3)診察と洗髪について
2~3日後に経過観察のために診察があり、何度か診察があるので、その時に腫瘍の検査結果も伝えられると説明がありました。
悪性に変化するのは稀だと聞いていますが、検査結果が悪性じゃないといいなぁと思うばかりでした。
なお、2週間位後に抜糸するまでは銭湯とかにも行けません。
お風呂もそれまでは入れないけど、退院した後から洗髪含めてシャワーがOKだったので、特に問題は感じていませんでした。
「抜糸したらお風呂も銭湯もOK」って言われているけど、銭湯については一応数週間くらい様子見かなぁと思いました。
最初、2週間くらい頭を洗えないのを覚悟していたので、洗髪について聞いてみたら「退院後から洗ってもOK」ってあっさりと言われて驚いたけど、すごく嬉しかった。
(退院後の話4)検査結果
抜糸のため、診察受けた際に検査結果の紙をもらいました。
良性腫瘍で悪性腫瘍ではなく、間違いなく『脂肪腫』との検査結果でした。
経過観察のため、1ヶ月後に診察があると説明があり。
まだ皮膚も緩めとのことで、完全に完治したといえるのはもう少し先のことになると思いますが、以降の報告はないと思います。
良性で本当に良かったです。
【まとめ】なんで5年間も脂肪腫を放置しちゃったの?(特に頭部なのに)って言われると辛いところだけどね。
実のところ、脂肪腫を放置しちゃった理由を話す分には問題ないんです。たいした話でもないのですが。
- 金銭的事情(一人で全部お金を用意できたのか? 貯金を崩して問題なかったのか?)
- スケジュール事情(お仕事休めるか否か)
- 心身共に治療や手術が大丈夫だったか否か(その時点で抑うつ状態一歩手前でうつ病と診断されてもおかしくない状態でそれどころじゃなかった(読むの注意!))
『親に頼ればいいじゃん』と思われた方は、ぜひ親御さんに相談してみてください。きっとあなたの力になってくれると思います。
『仕事なんて休めばいいじゃない。自分大事』って思われた方は大丈夫です。むしろ、これが理解できちゃった人は、できる限り早く社畜・ブラックから脱出してください。
脂肪腫は痛みもなんにもない良性腫瘍だって思ったら、『うつ病>脂肪腫』の方がよっぽど辛かったわけでして。
そして、ずっと放置してたら、病院に行く方が怖くなっちゃって。冒頭である「はじめに」と「そもそも、脂肪腫(脂肪の塊)って何?」でも少しだけ話しましたが、病院に行こうと思えるようになった(放置しちゃった事情のすべてが解決した)頃には、5年もの月日が流れていたのです。
脂肪腫は、見つかったらすぐに取ることをおすすめします。
金銭的にもかなり安く済むはずなので。
脂肪腫切除のため、手術および入院が必要になった方、
この体験談が、少しでも参考になれたら、とても嬉しく思います。